デスボイスはメタル、デスメタルなジャンルの曲に用いられる発声法ですね。
これ、間違ったやり方で真似すると喉が完全に死にます。
私も実はメタル系にどハマりしていたことがあり、憧れてちょっと真似してみようとしてみたことがありました。
しかし、少し発声してみた瞬間に『やばい』が頭の中で駆け巡って即やめました。(笑)
少しやっただけで喉が締まって痛くなってしまいました。
実はそれから恐くて全然やっていないのですが、久々にメタルを聴いたりすると血が騒ぐんですよね。「私もこの声出したい!」って。
今日はそんなデスボイスを掘り下げます。
まずはたーなー先生が開発した、最先端の無料ボイトレアプリ『毎日ボイトレ』をダウンロードしつつ、こちらの記事を読み進めてください。
- デスボイスってなに?
- デスボイスが上手い歌手が知りたい
- デスボイス出せるようになりたい
本日もこの記事の担当は田中のマネージャーです。
1.デスボイスって何?
デスボイスは、ホイッスル、シャウトと同じ、歪んだ声「スクリーム」と言います。
なので、デスボイスは海外でスクリームと言います。
ちなみに音楽のジャンルとしては基本メタルやデスメタル、ハードコア系などに用いられています。
そもそもスクリームって何?デスボイスじゃないの?って話ですが、とにかくデスボイスは歪んだ声の一つで、完全なる和製解釈、和製英語です。
海外ではデスボイスと言っても通じません。
デスボイスなので、death(死)voice(声)なのかと思いきや、もともとはディストーションボイスの略語のようです。ディスボイスがなまってデスボイスと言うようになったのではという意見、そして、デスメタルからとってデス(メタルの)ボイスになったのかも意見があります。
このディストーションボイスですが、歪んだ声という意味があります。
2.スクリームの種類
このスクリーム=ディストーションボイスは、実は超超超奥深く、種類がたくさんあり、とにかくややこしくてわかりにくいです。
だって、巷で言われている「デスボイス」「シャウト」「ホイッスル」これ、実は全てスクリームのなんですよ。
正直、しれば知るほどわからなくなりますよね…。
どうにかわかるように頑張って説明しますね。
種類別にわかりやすく参考動画も載せます。
「発声の違い」でまず二つに分類できます。
- フライスクリーム
- フォールスコードスクリーム
フライスクリーム(高音〜低音)
- 喉を締めて発声
- エッジ感が強くてガラガラしたように聞こえる
- 締めているので苦しそうに聞こえる
フォールズコードスクリーム(高音〜低音)
- 仮声帯を使う
- 声帯を開いて胸で響かせる
また「聞こえ方(音色)の違い」で以下に大きく分類できます。
- グロウル
- ガテラル
- ピッグスクイール
- ホイッスル
他にも色々ありますが、細かい種類も追加するとキリがないですし、既にややこしくてわからないのに、さらにややこしさが増すので大きく分けてこの種類のみ紹介します。
グロウル(低音)
- デスメタル由来の発声法
- 喉でうがいをするような出し方
おそらく、「デスボイス」をこのタイプだと認識している方が多いかもです。
グロウルはヴィジュアル系的な発声とデスメタル的な発声があって全然違います。
特にヴィジュアル系はフライスクリームのような喉を締めた苦しそうなフライスクリームタイプのグロウルが多く用いられているようです。
また逆に、海外デスメタルはフォールスコードタイプのグロウルが用いらています。
ヴィジュアル系フライスクリームタイプのグロウル
the GazettE 『Falling』Music Video
海外デスメタルのフォールスコードタイプのグロウル
Job For A Cowboy – Entombment Of A Machine (Music Video)
ガテラル(高音〜低音)
なんというか、下水のような排水溝のようなゴロゴロとした響きのある発声
低音なのに高音が抜けるような感じで響いて聴こえる
ガテラルを高音で出す場合もありますが、よくあるのは低音です。
明らかに他よりも鳴り方が違います。
Oceano District of Misery
わかりやすいガテラルです。
ゴロゴロゴロと言う感じ、聴いてわかると思います。
番外:吸い込み発声のガテラル
完全に吸い込みながら発声する方法です
ゾンビのモノマネをする時によくあるあの発声です。
時々これで発声している方もいます。
ピッグスクイール
ピッグと書いてあるように、豚のような鳴き声の発声です。
ガテラルをもっと締め上げるような感じです。
あのぶたっ鼻の「ぶうぶう」という鳴き声じゃなく、リアルな豚の鳴き声「ブイイイイイイイイイーーー!」のような感じに近いです。
DESPISED ICON – Furtive Monologue (OFFICIAL VIDEO)
ホイッスル
「ピー」と人間の声じゃないような発声です。
結構個人的に馬の鳴き声にそっくりだなと思います。
ホイッスルといえば、Dir en grayの京さんです。
DIR EN GREY 京(Kyo) Best High Pitched Screams 驚異のホイッスルスクリーム集
とにかく本当に様々あります。
色々な種類があるので、自分が出しやすい方法で発声できるようになれたらいいですね。
ここまでで、細かすぎて全然わからないと言う意見もあると思いますが、本当にその通りです。
このようなスクリームの種類、聞き分けは専門家やコアなファンしかできないようなことです。
特に頑張って覚える必要は全くないので、なんとなく「へぇー」と知っていただけるだけで十分だと思います。
今までよりも楽しんで聴けるようになると思います。
3.デスボイスの出し方
やっと本題です。
今回はまず、息を吐くことで発声できるフライスクリームと、難易度の高いフォールスコードスクリームをやり方、2種類解説します。
グロウルやガテラルなどのようないろんな音色を試すためには、まずこれらの出し方ができないと試すこともできません。
なのでこの二つをぜひまずはやってみましょう。
フライスクリーム
- まずエッジボイスを出します
- 少しずつエッジボイスを「あ、あ、あ、あ」となるようにとにかく少しずつ出しながらため息を混ぜていきます
- そして喉の奥で鳴らすことを意識して音域を下げます
- そして一気に空気を過度にはきます
- 響きをそのままに大きな口を開けて、空気を吐き切りましょう
こちらが一連の流れです。
注意
音域を下げる時に、下げすぎて喉を締めすぎないように注意が必要です。
締めると声帯を傷つけてしまいます。
また、水分はしっかり摂りましょう。
難易度超高いフォールズコードスクリーム
フォールズコードスクリームはフライスクリームよりも難易度高いです。
しかし、習得方法としてはフライスクリームよりも喉を痛めにくい方なのでは?と思います。
しかし、仮声帯に当てる発声がわからないとちょっと大変かもです。
- まずものすごく大きいため息をつく
- そしていびきのような鳴りをしながまたすごく大きなため息をつく
- そして口をすぼめる。大きく開けない
これがフォールズコードのやり方です。
フライスクリーム、フォールズコードスクリーム共に、息をしっかり吐いて出すことが重要なので
『息を完全に吐ききるトレーニング』
こちらの記事に書いてあるので参考にトレーニングしてみてください。
とにかく2パターン共に肺活量がないといけないので酸欠になりすぎて具合が悪くならないようにしてください。
重ね重ね書きますが、水分補給もしっかり行いましょう。
とにかくこの発生法ですが、正直、個人差はあっても基本習得はかなり時間がかかる場合が多いです。
真似しても全然できない。そもそもやり方がわからないと言う意見もあると思います。
間違った発声法でやっていると喉が危険な状態になったり、「それスクリームじゃなくね?」みたいな発声を気づかずやってしまっているパターンも多いので、まずはプロのスクリームもできるボイストレーナーに見てもらうことをおすすめします。
4.スクリーム上手なアーティスト
ここでは、スクリームが上手なアーティストを紹介します。
まず習うよりもまずは慣れです。いろんな動画、曲をきいてスクリームを知りましょう。
日本のバンド
DIR EN GREY
DIR EN GREY – 激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇 (Promotion Edit Ver.)
ホイッスルのところでも紹介しました。
日本、海外でも高く評価されているバンドです。
「ホワアアアー」と言うホイッスルはこの京さんしか見たことありません。
ガテラルのゴロゴロ感もすごく、一曲の中に何種類ものスクリームを入れてくる技術力は素晴らしいです。
グロテスクとホラーの雰囲気とあいまってDirだけの世界観が広がり圧巻されます。
lynch.
CREATURE / lynch.
こちらもDir同様元々はヴィジュアル系のバンドでした。バンドのスタイルのメタルは今でもそのままで、ボーカルの葉月さんのスクリームはとても上手です。
メロウな曲調も個人的に好きです。
海外のバンド
Slipknot
Slipknot – Psychosocial [OFFICIAL VIDEO]
スクリームといえば、スリップノットですね。
こちらは外せないなと思い載せました。スクリーム入門として、まずスリップノットから聞くことをオススメします。
女性ボーカルのスクリーム
Marmozets
Marmozets – Born Young and Free [OFFICIAL VIDEO]
数少ない貴重な女性ボーカルです。
男性並に厚みのあるスクリームを披露しています。
まとめ
今日はデスボイスの出し方、デスボイスについて掘り下げました。
- デスボイスは和製英語。総称はスクリームで聞こえ方によって種類が分かれる。
- 発声の方法で名前が分かれる。
喉を絞るように発声するのがフライスクリーム
仮声帯を使って胸で響かせて発声するのがフォールズコード
- フライスクリーム、フォールズコードスクリーム出し方が全然違う。
- 習得は時間がかかるかも?喉を痛めないように注意を払わなければならない
以上、デスボイスの出し方でした。
日本で「デスボイス」としてスクリームが浸透しているので理解に苦しむ部分があると思いますが、本当にメタルやメタルコア、デスメタルなどのバンドを聴いている方なら染み込むように覚えることができるかなと思います。
またDirの京さんのような何時間もスクリームしてもヘタレない超人のような技術的に優れている方もいれば、本当に努力して喉を絞って「喉痛めてるのではないか?」と思うような発声をしている人もいて、本当に難しい発声方法ですよね。
そんな選ばれし人だけが出せるスクリーム。
さらに奥深さを知りました。
ATOオンラインボイトレは、ロック、メタルを歌いたい方も体験レッスン受けることができます。
毎日ご予約受け付けています。
少しでもこちらの記事がお役に立てれば嬉しいです。
本日もブログを読んでいただきありがとうございました。
オンラインボイトレを無料体験してみませんか?
ATOボーカルスクールは
25年間で10000人以上を笑顔に!