こんにちは、田中直人です。
2020年テレビ東京『THEカラオケ★バトル』優勝者をはじめ、25年間で1万人以上のボイストレーニング(ボイトレ)をしてきました。
今回『ATOボーカルスクール』25周年を記念して、プロボイストレーナーの私のキャリアの集大成として、ボイストレーニング(ボイトレ)の全知識をまとめました。
「声の全ての悩みを解決したい」、「歌が上手くなりたい」、「ボイストレーニングをとことん究めたい」全ての人へ、本当に必要な情報を提供させて頂きます。
是非ボイストレーニング(ボイトレ)のバイブルとして、末永くご活用ください。
今回のタイトルは、【腹式呼吸のやり方】横隔膜を動かすトレーニングと練習方法を解説です。
まずは私が開発した、最先端の無料ボイトレアプリ『毎日ボイトレ』をダウンロードしつつ、こちらの記事を読み進めてください。
- 腹式呼吸とは何かを知りたい
- 腹式呼吸のやり方を知りたい
- 横隔膜を動かすトレーニングと練習方法を知りたい
1.腹式呼吸とは
腹式呼吸とは、歌うために最も大切な呼吸法です。
なぜなら、声を出す時に最も重要な、呼吸・姿勢・支えの全てにおいて、最も理想的な呼吸法だからです。
呼吸には、胸式呼吸と腹式呼吸があります。
胸式呼吸とは、その名の通り、胸でする呼吸です。
腹式呼吸も、その名の通り、お腹でする呼吸のことになります。
呼吸は肺でするものです。
それでは、なぜ胸やお腹でする呼吸法になるのでしょうか。
呼吸は、肺が自らの力で膨らんだり、縮んだりしているのではありません。
周りにある筋肉の運動によって、肺を動かしているのです。
<胸式呼吸>
肋骨の間にある筋肉(外肋間筋)は、収縮すると肋骨を挙上して、胸郭を広げます。
これにより、胸腔が広がり空気を取り込みます。
外肋間筋が、弛緩すると、胸郭が狭まり、空気が排出されます。
これを胸式呼吸といいます。
<腹式呼吸>
胸郭の下部にあるドーム型の筋肉(横隔膜)は、収縮すると胸腔を広げます。
これにより、胸腔が広がり空気を取り込みます。
横隔膜が、弛緩すると、胸腔が狭まり、空気が排出されます。
これを腹式呼吸といいます。
実際の呼吸では、腹式、胸式どちらか一方を使っているのではありません。
両方を併用して呼吸をしています。
無意識の呼吸の場合、息を吸うときには上記の筋肉を使います。
しかし、吐くときは筋肉を緩めるだけで呼気が外に出ていきます。
いずれの筋肉も働いていません。
これに対して、歌をうたう時は、「腹横筋」や「内肋間筋」といった筋肉が働かせます。
なかでも腹横筋は重要で、お腹のわきにあるコルセットのような筋肉です。
歌をうたう時は、腹横筋をしっかりと張ったままで、コルセットを固定します。
これにより体幹が安定し、呼吸も安定し、安定した歌声を発声する事が出来ます。
歌をうたう時には、胸式呼吸と腹式呼吸どちらが良いのでしょうか。
その答えは、腹式呼吸です。
それでは、その理由を探っていきましょう。
最も効率良く安定的な息を供給できる
腹式呼吸では、横隔膜で空気の量を供給します。
横隔膜は肺の下に位置しているので、呼吸する時の重心も下にさがり、安定感が生まれます。
腹式呼吸を行うことで、安定的な空気の供給、空気量の調節が可能になります。
上半身が完全にリラックスできる
胸式呼吸は名前の通り、肋間筋などの胸部周辺筋肉を使って、胸を膨らませて行う呼吸法です。
呼吸時に胸部や首肩部を動かすので、その周辺に力が加わります。
筋肉に緊張状態を与え、上半身完全リラックスで歌うことが出来ません。
腹式呼吸の場合は、胸ではなく横隔膜を使います。
呼吸により、胸部周辺の筋肉を働かせることはありません。
腹式呼吸では、首や肩がリラックスした、上半身完全リラックスを実現出来ます。
インナーマッスルで声を支えられる
歌をうたう時に最も重要なことは、「呼吸」「姿勢」「支え」です。
このうちの「支え」というのは、インナーマッスルで行います。
腹式呼吸は、このインナーマッスルで、声を支えることが実現出来ます。
腹式呼吸なのか胸式呼吸なのかわからない、という意見もあると思います。次にお伝えする腹式呼吸のやり方で、しっかりと正しい呼吸法をマスターしていきましょう。
声を出す時に最も重要な、呼吸・姿勢・支えの全てにおいて、最も理想的な呼吸法なので、腹式呼吸とは、歌うために最も大切な呼吸法です。
2.腹式呼吸のやり方
腹式呼吸のやり方は、ストレッチから段階的に、じっくりと行っていきます。
なぜなら、最も効率の良い腹式呼吸を実現するためには、身体全体を使った呼吸が必要だからです。
腹式呼吸:ストレッチトレーニング
1.肩甲骨剥がしクロールトレーニング
肩甲骨をほぐすように、ゆっくりと大きく、クロールのように、前に手をまわします。
出来るだけゆっくり、出来るだけ大きく、閉じている身体を開いていく気持ちで行いましょう。
肩甲骨は、剝がすようにして、ほぐしていくことがコツです。
この時、呼吸はゆっくり深呼吸をしながら行いましょう。
ストレッチの時は、決して息を止めてはいけません。
常にリラックスして、気持ち良い感覚で行いましょう。
2.胸筋広げ・肩甲骨寄せ・背筋伸ばし・背泳ぎトレーニング
胸筋を広げながら、ゆっくりと大きく、背泳ぎのように、手を後ろにまわします。
基本胸が縮こまっていることが多いので、大胸筋を大きく開きます。
この時も呼吸は深呼吸で、今回は肩甲骨を寄せながらほぐします。
手を後ろにクロスするとこで、背筋も伸ばし、出来るだけ大きく、出来るだけゆっくりと、身体を開いていきます。
胸を開きながら、肩甲骨を寄せてほぐし、背筋も伸ばします。
3.360度首まわし・首筋伸ばしトレーニング
首を右斜め前、左斜め前に軽く倒して、首筋を伸ばします。
首は大変繊細な場所ですので、出来るだけ軽く、優しく行うようにして下さい。
その後、出来るだけ大きく、出来るだけゆっくり、首を左右に1周ずつまわします。
やはり呼吸は止めないように行いましょう。
360度見るような形で、出来るだけ大きく、出来るだけゆっくりまわします。
気持ち良いレベルが最適です。
4.上半身完全リラックス脱力トレーニング
前屈の姿勢で、上半身を完全脱力します。
肩甲骨の真ん中に、息が勝手に入ってきて、リラックスします。
とにかく上半身を脱力しましょう。
気持ちいい範囲で前屈します。
ここで、上半身完全リラックスの感覚を養います。
やはり呼吸は深くです。
そして肩甲骨が、最高にほぐれて、肩甲骨の間がぽかっと空いて、そこに息が入ってくる感じです。
これが感じられれば、完成です。
常に、息はゆっくり大きく吸って、吐いてリラックスしながら行いましょう。
閉じている身体を開くこと、肩甲骨を入念にほぐす事を特に意識して行って下さい。
身体全身が気持ちよく、リラックスしてきたらOKです。
腹式呼吸:ブレストレーニング
1.ブレストレーニング姿勢と吸い方と方向
口を半開きにして、鼻70%・口30%で、鼻を中心に身体の後ろの方に息を吸います。
口は、歯医者さんで麻酔を打たれた時のように、だらーんと半開きにします。
電車の中で寝ている人で、口をだらーんと半開きに空けている感じです。
それくらいリラックスしましょう。
基本的に息は鼻で吸います。
ただ鼻だけですと、量が吸えないので、口で補う感じになります。
鼻と口の上の方で、背中に向かって、吸います。
腰にポンプがある感覚です。
前で、胸で吸ってはいけません。後ろに背中で吸います。
2.全身に入れるブレストレーニング
身体全体の息を100%吐いてから、行います。
腰を丸め、大きく広げながら、まずは息を腰に入れます。
腰のポンプが一杯になったら、次は背中の中央を開いて、そこに息を入れます。
背中の中央が一杯になったら、次は肩甲骨を広げながら、そこに息を入れます。
その後、それぞれを広げながら、肩、首、顔、目の中までいれていきます。
この時に全身の力は全てリラックスして、力を抜きましょう。
ゆっくり背中の下の方から、順番に息を入れていきます。
腰を開いて、背中の中央を開いて、肩甲骨を開いてと、身体を開きながら、身体の後ろに息を入れていきます。
最後は目の中まで入れて、さらに頭の上まで入るようにします。
この時に、口も喉も開きっぱなしにします。
インナーマッスルで息をキープする事で、歌うための体感を鍛えるトレーニングにもなります。
3.身体を開いて一発で100%息を吐くトレーニング
口を縦に開けて、「ホッ」と息を1回で吐ききります。
とにかく、全ての息を吐きます。
身体全体にある息を100%吐ききります。
全身脱力で、膝を曲げながら、全ての息を素早く吐いてください。
上記1~3をまずは6回ゆっくり行います。
腰から段階的に身体を開きながら、息を入れてくという事を身体で覚えて下さい。
呼吸量とインナーマッスルをじっくり鍛え上げる事が出来ます。
最後に、横隔膜を動かすトレーニングと練習方法です。
腹式呼吸は、横隔膜を上下に動かして呼吸を行っています。
身体の中は見えませんが、このイメージでもう一度腹式呼吸を行ってみましょう。
息を吸う時
- 横隔膜が下にさがる
- 肺が下に広がり膨らむ
- お腹と背中が膨らんで、十分な息が肺に入る
息を吐くとき
- 横隔膜が元に戻る
- 肺が縮む
- 息がなくなっても、お腹と背中の膨らみをキープする
呼吸の練習はゆっくりと気持ちよく行い、身体の中にある古い空気を全て吐き出し、新しい新鮮な空気が身体全体に入ったと感じるまで行いましょう。
しっかりと腹式呼吸が出来ているかわからない、という意見もあると思います。まずは入門として、思い出した時に必ずこちらのストレッチトレーニングと、ブレストレーニングを行ってみましょう。10日間くらいやっていると、急に歌をうたっているときの呼吸が楽になってきます。全身リラックスで、深呼吸をしていると、歌だけではなく、日常生活の中で様々なことにメリットがあります。楽しんで行ってみてください。
最も効率の良い腹式呼吸を実現するためには、身体全体を使った呼吸が必要なので、腹式呼吸のやり方は、ストレッチから段階的に、じっくりと行っていきます。
まとめ
- 腹式呼吸とは何かがわかった
- 腹式呼吸のやり方がわかった
- 横隔膜を動かすトレーニングと練習方法がわかった
ここまでお読み頂きありがとうございます。
是非とも一度無料体験レッスンで、専門家による、プロのボイストレーニングを受けてみてください。
【腹式呼吸のやり方】横隔膜を動かすトレーニングと練習方法を解説をじっくりと、お教えいたします。
オンラインボイトレを無料体験してみませんか?
ATOボーカルスクールは
25年間で10000人以上を笑顔に!