今回のテーマは『ちりめんビブラート』です。
ちりめんビブラートのような細かいビブラートは、主に悲しさの感情表現で素晴らしい力を発揮しますが、正直それはプロ歌手ができることであって一般的には難しいとしか言いようがない部分があります。
はっきり言って、ちりめんビブラートのような細かいビブラートを習得するよりも、まずはスタンダードなビブラートを習得することをお勧めします。
なぜかというと、スタンダードなビブラートが一番カラオケで得点を稼ぐことができるからです。
本日はそんなちりめんビブラート、スタンダードなビブラートについて解説していきます。
まずはたーなー先生が開発した、最先端の無料ボイトレアプリ『毎日ボイトレ』をダウンロードしつつ、こちらの記事を読み進めてください。
- ちりめんビブラートってなに?
- ちりめんビブラートはなぜ嫌われるの?
- 綺麗なビブラートができるようになりたい
こちらの記事はたーなー先生のマネージャーが担当致します。
1.ちりめんビブラートってなに?
ちりめんビブラートとは、小刻みに震えているビブラートのことを言います。
ちなみに以前、ビブラートには3パターンの種類があると説明しました。
- スタンダードビブラート
- 揺れが大きいビブラート
- 全体が震えている細かいビブラート
この中の、「全体が震えている細かいビブラート」というのが、今回取り上げる『ちりめんビブラート』のことです。
ちりめんビブラートは、かなり個性が強いので、使っているプロ歌手が他のスタンダードや、揺れが大きいビブラートに比べると決して多くはありません。
2.ちりめんビブラートが嫌われる理由
上の章で、「ちりめんビブラートは、かなり個性が強いので、使っているプロ歌手が他のスタンダードや、揺れが大きいビブラートに比べると決して多くはありません。」と書きました。
なぜ、ちりめんビブラートを使う歌手が少ないのかというと、ヘタに使ってしまうと耳障りな音色聞こえてしまいやすいからです。
しかし、メリットもあります。
- 感情表現ができる(主に悲しい表現)
- 個性が強く出る
- こんな良い面もあります。
しかし、やっぱりちりめんビブラートはデメリットが大きいです。
「小刻みに揺れ続けるビブラート」=「不自然、不安定な感じ」=美しくない!
こう受け取られやすいので、決して簡単なワザではありません。
この扱いづらさゆえに、ボイストレーナーも推奨している人はまずいないです。
正直なところ、嫌われ者です。
しかし、扱いづらいだけで、「悪い」わけではありません。
簡単に真似できないビブラートだからこその、魅力もあるのです。
それなのに、なぜちりめんビブラートを使い続ける歌手がいるの?という意見もあると思います。
その通りです。
真似したいけど、真似できないそれが「ちりめんビブラート」です。
ある種神業のような技です。そんなちりめんビブラートのような細かいビブラートができるプロ歌手を次章で紹介します。
ちりめんビブラートは使い方を間違えている人が多いから、不安定な音に聞こえて耳障り感が強くなってしまったりしますが、実は扱いにくいだけで、本当にうまく使いこなせた場合のみ、聴き手を感動させる力があるのです。
3.代表的なちりめんビブラート歌手の例
上手なちりめんビブラートの例を知るためにはまず、プロ歌手の音楽を聴いてみることが大切です。
正直、ちりめんビブラートというよりは細かいビブラートを使うプロ歌手の皆さんと言った方がいいかもです。
紹介する歌手の皆さんは一つのワザとして、この細かいビブラートを使っています。
もちろんスタンダードなビブラートも披露されていたりします。
ぜひ、よくきいてみてください。
宇多田ヒカル
宇多田ヒカル『One Last Kiss』
宇多田ヒカルさんは代表格ですね。
悲痛な表現、悲しみ。などをビブラートで表現しています。圧巻です。
特に、2000年代初期の作品は非常に悲しい表現が多く用いられていて、この細かい、今にも消えてなくなりそうな悲しいビブラートを多く使っています。
歌い方、歌詞、曲で聴いている側の心は揺さぶられます。
唯一無二です。素晴らしいです。
黒沢薫(ゴスペラーズ)
ゴスペラーズ 『永遠に』at 国際フォーラム2017/7/9 Short Ver.
メインボーカルの黒沢薫さんも細かいビブラートを使います。
黒沢さんは、歌い終わりにロングの細かいビブラートをかける傾向があります。
竹渕慶
Love / 竹渕慶 | Kei Takebuchi (Music Video)
竹渕慶さんは、YouTubeを中心に活動されているシンガーです。
以前はグループで活動されていましたが、現在はソロで活動されています。
竹渕さんは歌詞と歌詞の接続の時にちりめんビブラートを使っています。
逆に歌い終わりはスタンダードなビブラートを使うなど、かなり細かくテクニックを駆使されています。
これからもっと活躍されていくアーティストさんですね。
高音の伸びが美しいです。
GACKT
GACKT「ANOTHER WORLD」
ガクトさんはわかりやすいちりめんビブラートですね。
歌い方もかなり独特なので、個性が際立ちます。
誰にも真似できないオリジナルな歌い方は憧れますね。
ガクトさんも黒沢薫さん同様に歌詞の終わりのロングトーンでかなり細かいビブラートを使っています。
以上、ちりめんビブラートを使い熟すプロ歌手を紹介しました。
完コピできたらちりめんビブラートを使ってもいいのかな?という意見もあると思います。
気持ちはよくわかります。
しかし、はっきりいって、完コピできたからといって真似をできる技法ではないと思います。
ここまでで紹介したプロ歌手は、正直“例外”なんです。
このようにプロ歌手は、ちりめんビブラートを使い慣れているからこそ、聴き手に不快な感情を持たせることなく、むしろその音楽に共感させて、感情移入させることができるのです。
まずは、ビブラートは、スタンダードなビブラートを習得する必要があります。
4.カラオケで点数を上げたいならスタンダードビブラートを習得しよう
カラオケで高得点を狙うなら、抑揚のはっきりしている、スタンダードなビブラートを習得するのがベストです。
なぜならば、抑揚が細かいちりめんビブラートだと、不安定だと判定される場合があるからです。
まずは、ちりめんビブラートよりも、「スタンダードビブラート」の習得に努めましょう。
スタンダードビブラートって?
以前こちらのブログ記事でも紹介しました。
スタンダードなビブラートは広く使われているクセのない美しい抑揚が特徴的です。
プロの歌手で例えると・・・
MISIAさん、平井堅さんなどでしょうか。
このようにスタンダードなビブラートは美しい揺らぎがあります。
違和感がない。耳障り感あるわけもないですよね。
むしろ非常に心地よいです。
こんな美しい揺らぎのビブラートを目指して練習していきましょう。
スタンダードビブラートのやり方
- 全身を脱力。下半身に重心を落とす
- 「あ〜あ」とため息のような声を出してみる。
- 「あ〜あ」の音域はお任せします。出しやすい音域にしましょう。裏声じゃなく、地声がいいかも。
- 「あ〜あ」の「〜」の部分をどんどん短くしながらロングトーンでやってみる
- 「あ~あ~あ~あ~あ~あ~あ~あ~あ~あ」とどんどんビブラートっぽく近づけていく
以上です。
この「あ〜あ」ですが、わかりやすい音程でいうと救急車の「ぴー↑ぽー↓ぴー↑ぽー↓ぴー↑ぽー↓」のような感じです。
スマホのメトロノームのアプリを使ってどんどん早めていきましょう。
そして連続して早い「あ~あ~あ~あ~あ~あ~あ~あ~あ~あ」ができるようになってきたら、次は録音をして自分のビブラートがどんな状態なのか客観的に聴いてみましょう。
ビブラートを練習して、録音して聴いて、参考にしたいアーティストのビブラートを聴いてまた練習して。
これを継続してやってみましょう。
ビブラートが苦手、不安定なちりめんビブラートになってしまう方には特におすすめです。
これじゃわかりにくいよ。という意見もあると思います。その通りだと思います。その場合は、こちらにもっとわかりやすくビブラートの練習方法を書いていますので、参考にしてみてください。
緊張していたり、力んでしまうとなかなかうまくこの美しい揺らぎはできません。なので、リラックスを心がけて練習していきましょう。
まとめ
今回はちりめんビブラートについて掘り下げてきました。
- カラオケでちりめんビブラートをすると不安定と判定されて得点につながりにくい場合がある
- カラオケで高得点を狙うなら、抑揚のはっきりしている、スタンダードなビブラートを習得するのがベスト
- スタンダードはバランスの取れた美しい揺らぎ。代表的なプロ歌手でいうと、MISIAさん、平井堅さんなど。
- スタンダードなビブラートの練習方法は救急車の「ぴー↑ぽー↓ぴー↑ぽー↓ぴー↑ぽー↓」をロングトーンで発声する。(詳しくは3. カラオケで点数を上げたいならスタンダードビブラートを習得しようを参照してください。)
正直、ビブラートは、難しい声の装飾です。
とにかく理想は、歌に“自然で美しい揺らぎ”を加えることです。
練習してスタンダードなビブラートを手に入れてください。
もしもビブラートが理想的な状態になれなかったり、全く納得がいくビブラートができなかったら無理にビブラートをやる必要は一切ありません。
苦手であれば、やらない選択肢もあります。
そのかわり、ロングトーンで声がブレようにする必要はあります。
もしも「ビブラートもできない」「声もブレてしまう」その場合は、プロのボイストレーナーに相談しましょう。
- 声ブレの解消がなかなか難しいのであれば、ビブラートを強化。
- ビブラートが難しいならロングトーンの強化。
ぜひそこも意識してみてください。
そして大切な確認ポイントがあります。
- ちゃんと肩に力が入っていないかな
- 全身、口周辺の筋肉が硬っていないかな
- 高音を出している時に力んでいないかな
以上のポイントを自分自身にきいてみましょう。
またビブラートが上手くなりたい方も無料体験レッスンの受講をお勧めしています。
ぜひ30分の無料体験でビブラートを習得しましょう。
今回もこちらのブログを読んて頂きありがとうございます。
皆さんに少しでも参考になれば嬉しいです。
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