私は東京の外れの住人ですが、音楽と歌が大好きです。
音楽を鑑賞するのは問題がないのですが、歌うのがちょっと苦手です。
そのような時は、誰でも考えますよね。
勉強しよう。カラオケ教室に通ってみよう。東京にはたくさんのカラオケ教室がありますからね。
私は民間のカラオケ教室ではなくて、行政、東京でしたら区が主催しているカラオケワークショップに参加しています。
これが思っていた以上に楽しいのです。皆さんはきっと年寄りばかりの集まりだと思うでしょう。若い人が結構参加しているのです。
私が参加しているカラオケ教室なんかは、中学生から八十代の女性までいますからね、それは新鮮で驚きとトキメキの世界ですよ。
歌の勉強が中心ですが、それぞれの人の時代を超えた音楽の熱狂が面白いのです。
美空ひばりからAKBまで、歌の話で盛り上がるのです。歌の先生が授業が進まずに困ってしまう状況になります。
でも、音楽の本当の楽しみは、自分と音楽の関わりを語る事だと思います。
行政が主催しているカラオケ教室は料金が安いですから、参加者の姿勢が軽いというか楽しむことが目的です。マジで歌が上手くなりたいという感触はありません。
ところが、そんな雰囲気から、驚くほど皆さん歌が上手くなるのです。不思議ですよね。
勉強会の後は飲み会になります。もちろん未成年は食事だけで帰ります。
お酒が入ると、もちろん無礼講です。先生も生徒もありません。
自分の好きなミュージシャンの自慢話が始まります。さっきまで、音程で苦しんでいた人、リズムが取れなくて泣きそうになっていた人、みんな音楽ハッピーの世界に邁進です。もう先生も止められません。
出るわ、出るわ、知らない音楽家の名前が。
早川義夫、はっぴーえんど、中山ラビ、セカオワ、氣志團、米米クラブ、頭脳警察からスターリンまで。好きなミュージシャンと自分が歌う曲の違いが、あまりにかけ離れているので絶句するか呆れるかしかありません。でも、これが音楽の楽しみ方だと思います。
別に、東京のカラオケ教室だけの話だとは思いません。全国の音楽ファンはみんなそうして音楽を楽しんでいるんだと思います。