綺麗なビブラートを聴くと、ああいう風に歌ってみたいと思いますよね。
ビブラートというのはロングトーンで音を伸ばすときに、その音を軸に細かく上下させる歌いかたです。真っ直ぐに声を伸ばせることも大切ですが、ビブラートをかけることで表現の幅が広がります。より音楽が豊かに響くようになって、聴いているかたにも訴えかけるような歌いかたができるようになるのです。多くの歌手のかたも、ここぞというときに意識してビブラートをかけています。
なかなか取得するコツを掴むのは大変ですが、日々の練習で取得することは充分に可能です。
ビブラートには発生の基本である腹式呼吸が大切です。まずは安定した息で歌う基本練習から始めましょう。
それをマスターしてからビブラートの訓練を開始します。また、ビブラートには裏声を出せることも大切です。裏声というのは息漏れのある声帯がリラックスした状態の声なので、自然なビブラートがかかりやすくなります。
息が足りないとかかりづらくなってしまいますので、腹式呼吸で十分な息を保ったままロングトーンを出せることが必要です。
そんな声が出せる状態で「あぁあぁあぁあぁあぁ」というイメージで何度も母音の強調を繰り返すように声を出します。不恰好でも声を揺らすイメージが沸くでしょう。だんだんとこの間隔を狭めていくように練習することで、音揺れを均一化させる事ができるようになります。
一般的に一秒間に6回程度揺れるビブラートが理想とされてますが、かなり早いです。ですが6回は無理でも揺れかたが安定すれば、かなり自然なビブラートに近づきます。
次に、出しやすい高さの声を出して2秒間程キープさせます。
そしてさらにそこから半音下げてまた2秒程キープします。その後また元の音程に戻して2秒、というのを何度も繰り返していき、この間隔を徐々に短くしていきます。
自然なビブラートをかけられるようになる訓練です。
また、声を出しながらリズムよく手で腹筋を押さえ、体でビブラートを覚えるという方法もあります。最初は手で補助して感覚で覚えてから、手を外して自分の力だけで声の震えを出していけるように練習をします。
ビブラートのコツは練習をして感覚を掴むしかありません。カラオケのビブラート判定機能などを使って、上達具合を確認しながら練習していくとやる気も出るでしょう。まずは出しやすい声の高さで訓練をしていってください。