ゴスペルでも大切なのは「どう表現するか」 サークルで意思統一を

赤坂ゴスペル

みなさんは普段歌を歌う時に、どんなことに気を付けていますか?音程を正確にすること、伸びのある声を出すこと、リズムに乗ること……いろいろあると思います。もちろん音程も、声の質も、リズムも大事なのですが、ついつい忘れがちになってしまうのが「どう表現するか」という部分です。

一本調子の歌い方では、聴く人を引き付けるのはなかなか難しいですな。力を入れるところは入れる、やさしく歌うところはやさしい声で歌う、という表現力を意識することで、歌うことに対する新たな喜びも埋まられてきますし、聴く人により訴えかけられるようになるのです。曲全体のヤマ場がどこかを考え、そこに向かって徐々に感情を込めたりダイナミクスを上げたりするほかに、1つ1つのフレーズ内でも表現の仕方を考える必要があります。フレーズの真ん中に小さなピークを置いた山型、初めから終わりに向けて徐々に盛り上がっていく右肩上がり型、逆にどんどん収束していく右肩下がり型など、短いフレーズであってもどう表現するかを考えることで、聞く人に与える印象が全く変わって来るのです。

また、歌詞のある歌の場合、語尾をどう処理するかという問題も出てきます。最後まではっきりと歌いきるのがいいのか、最後はスッと引くような歌い方がマッチしているのか……あれこれ考えながらフレージングをしていくと、歌という表現方法の奥深さを感じられるようになり、歌うことがますます楽しくなりますよ。

特にゴスペルで大事になってくるのが「メリハリ」です。エネルギッシュなボイスのシャワーはとても心地よいものですが、それも「メリハリ」があってこそ。静かな部分を静かに表現できてこそ、パワフルな部分が感動を呼ぶのです。サークルで歌う時には、自分たちはこの曲をどう表現したいのかという意志を明確にして、メンバーそれぞれがしっかりと共有することで、よりメリハリとまとまりのある曲に仕上がるのではないでしょうか。

ただ、豊かな表現力を身に着けるには、やはりその前提が必要。しっかりボイストレーニングをしていい声を出せるようになった次のステップとして、表現力に磨きをかけたいですね。

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