人気の曲をカラオケで唄いこなして周りを見返す

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僕はとても音痴でした。
ある日、会社の先輩達に夜飲みに誘われて、もちろん付き合いなので先輩達に付いていくことになりました。
居酒屋でおつまみと一緒に軽くお酒を飲んで、これで帰ろうと思っていました。
しかし、先輩達はこれから二次会だと言ってラウンジに行くことになりました。
僕自身その時がラウンジ初体験だったのですが、雑居ビルの様な場所の一角の中はとても綺麗な内外装、美人なママや若いスタッフさん達が大勢いました。
最初は気分よくお酒を飲んで、スタッフの女性達と会話も多少は盛り上がっていたのですが、先輩がカラオケを唄おうと言い始めました。
僕は内心とても嫌で、誰か却下してくれないかと期待していました。
しかし、その期待とは裏腹に全員が唄って行こうみたいなノリになってしまったのです。
そしてカラオケは始まって、先輩方は人気の曲を上手に唄いあげていきます。
もちろんスタッフさんやママも大盛り上がりです。
僕はとにかくその場を離れたかったのですが、逃げられるような雰囲気でもなかったので、為す術もなく僕の順番がまわってきました。
そして歌が始まって唄ってみたのですが、スタッフさん達はもちろん商売上ノッてくれましたが、先輩方からは笑われてしまいました。
それにつられて何人かのスタッフさんもクスッと笑ってしまっていました。
その後、社内でも軽いネタになってしまったのです。
僕はいじられる事は嫌いではありませんが、割と気にしている事に関してはどうしても傷ついてしまいます。
それから僕は、次の飲み会に備えてボーカルのレッスンを受ける様になりました。
仕事の合間を見て、週1度の土曜日のみ半年ほど通いました。
すると、もちろんプロとまではいきませんが、割と上手に唄うことが出来るようになりました。
そして、会社の飲み会に再度誘われて、僕は待ってましたとばかりについて行きました。
案の定、行きつけのラウンジに行こうとなり、生まれ変わった僕の声を先輩達やスタッフさんに聞かせました。
曲が始まった時には、スタッフさんも僕の音痴ぶりを覚えていたのか一瞬おおっとなりました。
そして曲が終わった後には絶賛の嵐でした。
それから社内でネタになることもなくなりました。
レッスンに通うのは正直大変でしたが、でも通って本当に良かったです。

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