ゴスペル合唱と日本の音楽の共通点

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日本でも映画「天使にラブソングを・・・」の大ヒットやゴスペルを取り入れたアカペラグループの活躍により、ゴスペルの認知度が高まりました。

声を張り上げてパワフルに歌い上げたり、いくつものパートに分かれて、層の厚いハーモニーを作り出したり、手拍子や足拍子を使ってリズミカルに歌い上げる様子は、耳だけでなく目も楽しませてくれます。

一見、日本人の音楽とは全く関係のないようなゴスペルですが、実は音楽の魂の部分では共通点があるんですよ。

ゴスペルは、17世紀、奴隷として強制的にアメリカに連行されたアフリカ人達が、心の拠り所を求めて、密かに口ずさんだことがルーツと言われています。

「明日への希望」や「神への賛辞」が歌われていて、日常的にみんなで集まって歌うことで発展していきました。
楽譜が読めなくても、口承伝承で伝わっているので、自然と歌えるようになります。

ルールに厳しいクラシック音楽と違い、テクニックがなくても自由に誰でも歌うことができる大衆のための音楽なのです。
日本でも、楽譜が存在しないはるか昔から大衆の間で広まってきた音楽があります。

豊作を祈願するために祭りで歌われる歌や木を切る時や船を漕ぐときに歌われる作業歌などがそうです。

こういった伝統音楽には、楽譜がなく、親から子へ、地域の人々の間で歌い継がれることで自然に受け継がれていきました。
現代では、大勢で合唱をする場といえば、学校の音楽の時間やカラオケぐらいしかない日本人ですが、ゴスペルのように大衆が楽しむことができる生活に密着した音楽を持っているのです。

また、ゴスペルは、手拍子や足拍子で豪快にリズムを取りますが、こちらも日本の音楽と共通点があります。
日本でも夏になると死者を供養するために盆踊りを踊りますよね。
地域ごとに音楽や踊りも様々で、輪の中に飛び込んでしまえば、一体感を味わうことができます。

ゴスペルの合唱と日本の音楽は無関係のように思われますが、大勢の人々と体を動かして音楽を楽しむ、生活に密着しているという点ではとてもよく似ているんですよ。

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