カラオケの上達と一言で言っても、まず何をもって歌がうまいと言うべきかという問題があります。好きな歌を、それを歌っている歌手の声そっくりに歌い上げることなのか、それとも、声はともかくとして音程を外さないようにすることなのか、はたまた高音が出せれば満足なのか。
好きな歌手の声そっくりの声で歌いたい場合、これが一番ハードルが高いところです。なぜなら、人間の声は、その人が生まれつき持っている顎の形や声帯のバランスなどによって形作られてくるものだからです。練習でカバーできる点はありますが、整形でもしないかぎり、完全に似た声にするというのは難しいでしょう。
ただ、自分の声に似たアーティストを探してその人の歌を練習すれば、上達を実感できる速度も速いと思います。自分の声を、自分の才能ととらえるなら、まずは自分の声に合った歌を歌ってみるのも一つの手ではないでしょうか。歌えないアーティストの楽曲にいきなり挑戦しても、うまくいくはずはありません。それよりも、歌えるアーティストや曲を探してそれで勝負する。どんな分野においてもそうですが、自分ができるものに関しては、自然と好きになっていくものです。今まであまり興味がなかった歌手の歌でも、歌ってみてうまくいけば、いつのまにか、そのアーティストが好きになっていて、その歌が歌いたくなっている自分がいることに気付きます。
音程に関して改善したいのであれば、いきなり歌を歌って練習するよりは、歌をよく聴いて、しっかりと音を耳に定着させる必要があります。それができてきたら、鼻歌でリズムを実感してみる。そしていよいよ歌い始めるという手順を踏むと、むやみやたらに声を出して練習するより効果は上がります。
高音を出せない場合、単純に肺活量が足りていないということが往々にしてあります。その場合は、とにかく大きな声を出すことから始めるべきでしょう。どんな歌でもいいですが、テンションが上がる曲だと気分も乗りやすいです。高い音が出ないのなら、低い音程に設定して、大声で歌うのです。叫びまくるくらいの方がいいでしょう。その内に、だんだんと喉が開いてきます。これは自分でも自覚がないのですが、いつのまにか高い声も出せるようになっていることがあるのです。いきなり器用に歌おうとしないで、歌える歌を大きな声で歌えるということが、基本になってくると思います。
カラオケで上達するために一番最初に始めることは、自分の声を大事にするということです。その人の声はその人しか持っていないのですから、他の人に真似できない歌い方を見つけるのもかっこいいと思います。