A 「Aメロディー」
はじめまして。
「AtoNo Record」で作詞のレッスンをさせていただいている遠藤です。
今日から作詞に関するちょっとしたブログをはじめることにしました。
内容は……思いつくまま、更新も……気の向くまま、ということになってしまうと思いますが、作詞に興味のある方、ない方、どうぞ気楽にお付き合い願えればと思います。
タイトルの「AtoNo Rec.」→「作詞AtoZ」は、「AtoNo Rec.」から皆さんに作詞に関するいろいなお話をしていきますよといった、会社名の「AtoNo Record」に少しだけかけたもの。
「A」から順に「Z」まで……「A」なら「Aメロディー」といったように……その文字からはじまる言葉で毎回のテーマを探っていこうと考えています。
(「A」「B」あたりはすぐに思いつきますが、「X」「Y」「Z」といった最後の方は苦しそう。今から先行き不安です。)
何はともあれ、はじめることにしましょう。
A 「Aメロディー」
楽曲の歌い出しから、曲調の変わる部分までのことをAメロディー、略してAメロと呼んでいます。
(「世界に一つだけの花」なら、「花屋の店先」から「きれいだね」までがAメロ。その後、もう一度Aメロが入り、「それなのに僕ら人間は」から曲調が変わりますから、ここからはBメロ。そして「そうさ僕らは」からがサビのCメロとなりますね。)
このAメロディーを描くときには大切なポイントがふたつあります。
ひとつ目のポイントは、何が、どんなことがそこに描かれているのかを聴き手に分かりやすく伝えるということ。
最初にメロディーが解決するまでの間……つまりAメロが流れている間……聴き手はこの歌は何を歌おうとしているのだろうかと、一生懸命に耳をそばだててくれています。
その間(聴き手が集中してくれている間)に、歌詞が何を表現しようとしているのか伝えることができないような描き方、あるいは内容であったりすると、聞き手は、この歌は難しい歌だな、自分には向かない歌だなと思い、歌に傾けていた気持ちをひいてしまうものなのです。
(先にあげた「世界に一つだけの花」も、作品のシチュエーションとなるものが、とても美しく、そしてなによりも分かりやすく聴き手に伝わるように描けていますよね。)
そして、もうひとつのポイントは、その中に驚きや新鮮さのような、聴き手を引き付けてくれる作者なりのアイディアを何か入れるということです。
再度「世界に一つだけの花」で説明してみましょう。
まずは男性である「僕」が「花屋」の店先で「花」を見ているという、そのシーン自体が新鮮ですよね。
こういったシーン、今までありそうでありませんでした。
また「バケツ」といったような、それまでのポピュラー音楽ではあまり使われることのなかった単語も登場させ、作品に新鮮な香りを吹き込んでくれてもいます。
素晴らしい!
このふたつのポイントを押さえておけば、Aメロディーは完璧!
そうそうすぐにはうまくいきませんが、そこはレッスンで、みなさんといっしょに楽しくクリアーしていくことにしましょう。